受験はそもそもが不平等
「学歴を得ることは、私にとってとても重要なことです。このように公言するのは憚られる風潮がありますが、私は学歴はある程度、その人の信用性を担保するものだと思います。
翻って、さまざまな事情によって満足に学ぶことができない環境だった人も多いと思います。その意味で、受験はそもそもが不平等です。自身が経験したように、地域による教育格差の問題、収入による教育格差の問題はいまだに根強いでしょう。
私は今、教育に携わる仕事をしつつ自分も受験生というプレーヤーとして学業に向き合っています。いずれは、教育に関するこうした実際の話をより多くの人たちに届けていきたいと考えています」
その瞬間は一喜一憂していても、過ぎればとうに忘れて日常に埋没することは多い。テストの点数や学歴はその最たるものだろう。だが、えぐざま氏は頑なに留まり続ける。かつて自分がそうであったように、叶わなかった夢の亡霊にうなされ続ける人が少しでも減るように。彼の挑戦は、しぶとく粘着質で、それゆえに純粋で澄んだ色に光り輝く。
(後編に続く)