日本人は性について、どのような傾向があるか。医師の和田秀樹さんは「日本には男性器や女性器を祀った祠や神社などが各地にあり、お祭りのときは神事として、参拝客の前で、セックスの演技を行う儀式がいまだに続いているところがある。日本人はセックスというものが“エネルギーを与えてくれるもの”と位置付けていたのだろう」という――。
※本稿は、和田秀樹『熟年からの性』(アートデイズ)の一部を再編集したものです。
日本各地に性器を神として祀る信仰がある理由
日本の各地には、男女それぞれの性器のかたちを彫った石造物が、道祖神みたいに道端や村境などに祀ってあったりしますね。
どんなものなのか、興味のある方はネットで「性神」とか「生殖器信仰」といったキーワードで探すと、多種多様なものを見ることができます。
中には「双体道祖神」といって、男女が性交しているものや、男神が女神のおっぱいをもんでいるものなど、じつにユニークは性神様もいらっしゃいます。
ちなみに、性器を神として祀る信仰を「性器信仰」または「生殖器信仰」といい、性器は「性神」といいます。
日本人が、男女の性器のかたちを彫った石造物(性神)を道端や村境などに祀るようになったのはなぜか?
日本は農業国だったので、セックスは繁栄の証であり、五穀豊穣の祈りに通じるものとして、生命力あふれる「おめでたい」ものという考えがあったからではないでしょうか。
現に、男性器や女性器を祀った祠や神社などが各地にあり、お祭りのときは神事として「おかめ」と「天狗の面」をかぶった男女(実際はふたりとも男)が神前で、しかも参拝客がたくさん見ている前で、セックスの演技を行う儀式がいまだに続いているところもあります。
でも、これを当局が取り締まったという話は聞いていません。