筋トレはダイエットに効果的なのか。内科医の奥田昌子さんは「残念ながら日本人は筋肉がつきにくい。基礎代謝を上げることは難しいが、男性ホルモンを増やす効果は期待できる」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、奥田昌子『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

ジムで筋トレをする男性
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「筋トレで筋肉が増えると基礎代謝が上がる」は本当か

ダイエットの黄金ルールをおぼえていますか。まず大枠として摂取カロリーを抑え、次いで脂質を減らし、その次に糖質を控えることでした。

うん、そう言われると、そうなんだろうなって思うけど、基礎代謝量を上げれば脂肪が燃えやすくなるんでしょ。それなら食事に気をつけるより、筋トレして、筋肉つけるほうが大事なんじゃないですか?

「筋力トレーニングで筋肉が増えると基礎代謝が上がる」という話は、もはや「常識」となっています。おなじみの基礎代謝は、心も体も安静にしているときに消費する、必要最小限のエネルギーのこと。そして、筋トレは、ダンベル運動やスクワット、腕立て伏せ、腹筋運動など、大きな負荷をかけて、瞬間的に力を入れる動作を繰り返すトレーニングのことです。レジスタンス運動ともいい、無酸素運動の仲間です。

無酸素運動の特徴は、筋肉を動かすためのエネルギーを、酸素を使わずに作ることです。続けて実施できるのは1~3分に限られますが、強く、速く体を動かすことができます。運動後、約48時間にわたって基礎代謝が高い状態が続くという報告もありますし、働いた筋肉が回復するときにもエネルギーを消費します。

こう聞いて、「やっぱりそうか!」と、通販サイトでダンベルを探し始める人がいるかもしれませんが、残念ながら、そう簡単な話ではありません。問題点は2つあります。