※本稿は、松居温子『9割捨てて成果と自由を手に入れる ドイツ人の時間の使い方』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
晩ごはんは「冷たいご飯」が典型
ドイツ人は仕事の場だけでなく、家事においても「やらなくていいこと」を見極めようとします。
たとえば家庭の晩ご飯は、とてもシンプルなものと決まっています。
伝統的に、冷たいご飯(Kaltes Essen)と言って、黒パンと野菜とハム、チーズを並べるだけの夕食がドイツの古くからの食卓の典型で、家族はみんなそれで満足します。最近は夜ご飯を温かい料理にする家庭も増えてきていますが、一般的には、手のこんだ料理を用意することに時間を使うよりも、家族と一緒に会話をしながら食事をすることや、食後の自由時間を楽しむことに時間を費やします。
料理だけでなく、片づけにもなるべく時間を使わないようにしています。食洗機がついている家がほとんどのため、洗い物はほとんどしません。調理器具どころか、ワンプレートしか使わないのにもかかわらず、その洗い物の時間も短縮します。
大家族でも洗濯は週1回程度
日本では一汁三菜が理想とされていて、退勤後の疲れている状態でも、温かいご飯を用意する人が多いと思います。食器もたくさん使い、見栄えのするご飯をつくる人も少なくないでしょう。
もちろん、「食べることが大好き! 食事が人生の楽しみ!」という人や、料理が趣味の人は、食事の支度に時間をかけることが「やりたいこと」につながるかもしれません。
ですが、「妻(親)だから、きちんとしたご飯をつくらないと……」というような固定観念や、家族の期待に応えるために行動しているのであれば、それは家族で話し合うなどして、家族が楽しく過ごす時間を増やす試みをしてもよいですよね。
さらに、ドイツ人は洗濯も簡略化しています。週に1~2回ぐらいしか洗濯はしません。とても綺麗好きなのに不思議かもしれませんが、大家族でもだいたい、衣類を大量にまとめて、週1の洗濯で済ませたりするので、うちの留学プログラムの留学生たちはホームステイ先でいつも驚きます。