NGワード②:「投資はギャンブル」

つい最近まで日本人の投資意識は低く、「投資はギャンブル」と言っていた人も少なくなかったように思います。でも、投資とギャンブルは、全く違います。

競馬や競輪、競艇、パチンコ、それから宝くじもギャンブルですが、これらはみんなから集めたお金から手数料などを引いて、残ったお金を当たった人に配分します。宝くじの購入者への還元率は50%以下です。誰かが得すると、誰かが損する仕組みになっている上に、当たる確率はとても低く、一方、投資はみんなから集めたお金を企業や国に投じて、企業や国がそれを育てて大きくしてから、みんなに配分する。株や債券などの投資は「成長ありき」です。有効活用してくれる企業や国に自分の余剰金を預けて、投資された側は努力してその価値を高める。そこから株式なら配当金、債券なら利息を払ってもらえる。つまり投資は、みんなが幸せになる仕組みなのです。その違いを理解して、お子さんにも伝えてほしいですね。

「長期分散投資」でリスクはおさえられる

また親自身が「投資は怖い」「損をする」と言って、投資に一歩踏み出せない人もいます。もちろん株は上がり下がりするものですから、買った株の価格が下がり、損することもあります。そういった投資のリスクを減らすには、「長期・分散」すること。「長期」とは、短期的な利益を追求するのではなく、長く投資すること。それによって「複利の恩恵」を受けることができます。複利とは、利息を元本に組み入れて再投資すること。それによって、利益がさらに利益を生むため、時間をかけるとぐんぐん増えていきます。

そして「分散」は、一つの会社だけでなく、複数の会社の株を買うこと。株の盛り合わせである投資信託を活用するのもよいでしょう。投資には「卵は1つのかごに盛るな」という格言があります。これは卵を1つのかごに盛ると、落としたら全部割れてしまうけれど、いくつかのかごに分ければ、全部割れることはないという意味。投資もいろいろなところに分けると、リスク分散になるのです。

歴史的に、アメリカの株は20年スパンで下がったことはありません。これからのインフレリスクを考えると、日本円で持っていることは必ずしも安全とは言えません。今100円で買えるものも、インフレで価格が200円に上がってしまったら買えなくなる。何もせず現金のままなら、お金が減るということですから。債権のように基本的に元本保証されている投資方法もあるので、許容できるリスク範囲内で、なんらかの投資をしていくことは、必須だと思います。