<4月9日、相互関税発動後半日も待たずに中国以外「90日間の停止」を発表。米株価は持ち直したが、理不尽で唐突なトランプのやり方はアメリカにとってもっと大事なものを失わせている>
灰になって崩れる米ドル紙幣
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約29兆ドル規模の米国債市場は、世界の外貨準備から企業の借入コストに至るまですべての基本であり、金融システムの根幹を支えてきた。この市場が不安定化すれば、世界中の金融市場が急激に収縮しかねない。

仮に米国債への信頼がさらに損なわれれば、金利が上昇してアメリカ政府の債務負担は重くなる。慢性的な財政赤字と地政学的緊張が続く中で、一層財政難が厳しくなるだろう。