全日本柔道連盟が小学生の全国大会を廃止した。偏った勝利至上主義を見直す目的だ。コラムニストの河崎環さんは「大人は、成長の只中にある子どもを戦わせて、そこに何を投影しているのか? それは大人が自分の承認欲求を満たす代理戦争ではないのか」という――。
柔道着を着用し、正座で先生の話を聞く子供たち
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小学生の全国大会を廃止した柔道界

「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」。全日本柔道連盟が小学生の全国大会を廃止した。スポーツ界では今、ジュニア指導の偏った勝利至上主義を見直す動きが出ている。

体罰や怒号などが常態化し、激しい指導によってまだ体のできていない成長期の選手をむやみに早熟させ、勝たせる。だがそれが選手生命を短期化し「潰す」結果を招いてしまう、これまでのスポーツ指導への反省だ。