1964年、松下電器産業(現パナソニック)は創業以来の危機に襲われる。その時、創業者、松下幸之助は何を語ったのか。ブックライターの上阪徹さんの著書『松下幸之助 世界でいちばん「しあわせ」を売った男』(実務教育出版)より紹介する――。
松下幸之助、撮影=昭和53年12月5日
写真=共同通信社
松下幸之助(撮影=昭和53年12月5日)

なぜ松下幸之助はあっさりと社長の座を降りたのか

社長をなかなか引退できない経営者が、ときどき話題になることがあります。

もちろん、理由はさまざまにあるのだと思いますが、社長というポジションが大きな魅力のあるものであることは間違いないでしょう。そのポジションを、あっさりと降りてしまったのが、幸之助でした。