カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の設置に向けた動きが加速している。今国会にはIRの数などを定める「IR実施法案」が提出される見込みだ。推進派は「外国人のカネを呼び込む」と息巻き、外資系カジノ運営企業は「1兆円」規模の投資を表明しているが、そう簡単にはいきそうもない。ジャーナリストの出井康博氏がリポートする――。(前編、全2回)
マカオの大型カジノ「ザ・ベネチアン・マカオ」の様子(写真=Steve Vidler/アフロ)

「経済効果は7兆円以上」は本当か?

カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の設置に向けた動きが加速している。2016年12月に成立した「IR推進法」に続き、IRの数などを定める「IR実施法案」が今国会に提出される。日本版カジノが誕生する日は近い。

「カジノをつくれば外国人観光客が押し寄せ、景気が大幅に改善する」
「カジノの収入は年1.5兆円。経済効果は7兆円以上」